【腕の骨折(上腕骨近位端骨折)について】

2020年2月6日

骨折




・この記事はこんな人にオススメ・

→腕(うで)の骨折をしてしまった

→腕(うで)について勉強したい


上腕骨近位端骨折


上腕骨近位端骨折は手をついて転倒した時や何かにぶつかった時に起こってしまいます。

この骨折は骨折全体の約5%と言われていて、上腕骨腕の骨折だけでいうと大体45%です。

ちなみに、40歳以上では上腕骨近位端骨折が腕の骨折の75%になっています。

この骨折は肩の関節に近いので血の巡りが悪く骨折部分が壊死することもあるので注意してください。

上腕骨の形は画像をご覧ください。




①骨頭骨折


これは単独で起こるのは稀になっているので、肩の脱臼と一緒に起こる(ヒルサックス損傷)事が多くなっています。

ちなみに関節内の骨折になるので、関節の内出血は多くなります。

ただ、関節外の骨折に比べると内出血は比較的少ないので肩の打撲や捻挫と間違えないようにしてください。

症状は痛みや、運動痛、折れたところを触ると痛いなどがあり、この骨折に特徴的な関節に軸圧をかけたり、捻るような動きで骨が擦れる音(軋轢音)を手に感じます。

転移がない場合、肩関節を70度~80度外転・屈曲30度~40度として3~4週間固定をして、転移が著しい場合は手術になります。

固定の初期から等尺性運動(関節を動かさず力を入れる)は積極的に行ってください。

高齢の方は動かすよう伝えても、全然動かさないので上手く誘導してあげてください。

②解剖頚骨折


高齢者に多い骨折になっていて、肩をぶつけたり・手をついて転ぶことによって起こってしまいます。

しかも関節内骨折なので、転移は少ないです。

転んで骨折すると、嚙合骨折(ごうごう骨折)と言って、骨折した時に折れた部分が噛み込んで短縮している事もあります。

もちろん腕の動かすのは制限され、自発痛、限局性圧痛は著名、軋轢音を聞くこともあります。

転移がなければ、整復しないで外転70度~80度・屈曲30度~40度で6週間~8週間固定します。

個人差はありますが、全治に半年ぐらいかかる場合もあります。

③外科頚骨折


高齢者に多い骨折の一つです。

手をついて転ぶだけで骨折して、その手のつき方で「外転型骨折」・「内転型骨折」と2つに分類されます。

外転型骨折の場合は肩関節の前方脱臼と見分けが大切で、内出血はどんどん広がってきて、腕や胸にまで広がってきます。

普通は異常可動性や軋轢音があり動かせないのですが、噛合骨折になっていると少しは動かす事は出来ます。

骨がくっつくのに4週~6週かかり、固定期間中色々なリハビリはしていくのですが、急激な肩関節の外転・外旋運動には注意をしてください。

ちなみに、固定時に「ハンキングキャスト」というものを使っている場合は、骨折部分が不安定な状態になるのでご注意を。

合併症には肩関節の脱臼・腋窩動脈損傷・腋窩神経損傷があります。

④大結節骨折


これは珍しいく骨折で、肩関節の脱臼に伴って起こる事や整復時に起こる事があります。

整復が出来ない場合は手術になります。

⑤小結節骨折


裂離骨折の形になってしまいます。

骨端線離開


子どもの骨端線離開は肩をぶつけたり、手をついて転んだり、出産の時に赤ちゃんの手を引っ張った時に折れたりすることがあります。

腫れと痛みがめちゃくちゃ激しいですが、多くの場合は整復不要です。

しっかりと固定して様子を見てあげてください。

ただリハビリには注意が必要。

成長障害といって成長に伴って左右の腕の長に違いが出ないようにしてあげてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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