【肝臓を元気にして代謝をあげる方法】

2021年11月6日

栄養学

 

 

・この記事はこんな人にオススメ・

→肝臓を元気にしたい

→代謝を上げて痩せやすい体質にしたい
  

 

肝臓の機能の改善で代謝を上げる

今回は代謝を上げるために肝臓の脂肪を落としてみよう!と言ったお話をしたいと思います。

 

全身の代謝を担っている臓器の中で一番大事にしたいのがもちろん肝臓です。

 

肝臓は生きていく上で必要最低限な基礎代謝量のうちの21%を占めています。

 

代謝を底上げしたいならまずこの肝臓に目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

肝臓は代謝業界一のマルチプレイヤーとも言われています。

 

ここではその肝臓の主な働きについてお話ししていきながら、付随するいろいろなこともお伝えしていけたらなと思っています。

 

まずは肝臓の真実の姿を知ってもらいましょう。

 

皆さんご存知の通り、肝臓は別目『沈黙の臓器』と言われています。

 

これは、肝臓に異常が起きても症状が出ない為なかなか気付かず、気付いた時にはかなり進行していて手遅れになる場合が多いからです。

 

肝臓の大切な機能は栄養素の代謝です。


糖質、タンパク質、脂質の3大栄養素をはじめとする栄養素を代謝し、糖質をグリコーゲンとして蓄えたり、糖新生で糖質を作ったりしています。

 

他にも、有害な物質を解毒したり、排出しやすい形にして無毒化させたりします。


ルコールの分解や代謝、薬物の分解や代謝も行っています。

 

そして最後は胆汁の生成です。脂質を乳化させて、吸収を促す胆汁を作っています


胆汁は胆のうというところに蓄えられていて、必要に応じて十二指腸へと分泌されています。

 

これが簡単な肝臓の主な働きです。

 

肝臓には中性脂肪を蓄える働きもあり、健康な人でも2~3%の中性脂肪を貯蓄していますがこれが10%以上になるのが『脂肪肝』で、いわばフォアグラ状態です。

 

こうなると肝機能が落ちて、代謝もだだ下がりするということになります。

 

消化されずに余ったカロリーは、中性脂肪となって体内に蓄積します。これが皆さんが大嫌いな『体脂肪』の正体です。

 

体脂肪には、『皮下脂肪』と『内臓脂肪』がありますが、そこに収まりきれない体脂肪はこれ以外の場所に『異所性脂肪』という形で蓄えられてしまいます。

 

その代表格が他ならぬ脂肪肝なんです。


脂肪肝は皮下脂肪や内臓脂肪と並行して蓄えられていきます。

 

コロナ化で運動不足気味と宅飲みが増えて、コロナ太りでクリニックを受診する患者さんに脂肪肝が一気に増えたと言われています。

 

肝臓の機能が正常範囲内でも脂肪肝は始まっているのですが、何せ沈黙の臓器ですから脂肪肝になっていても痛くも痒くもありません。

 

そのため、異変に気付かずほったらかしにして悪化しやすいのがこの肝臓の特徴です。

 

そこで頼りになるのが血液検査での肝機能の数値なんですが、注目すべきは、ガンマ GTP、AST、ALT といったところです。

 

いずれの数値も肝臓の中の酵素であって、幹細胞が破壊されると血液中で増えていきます。


このため肝臓のコンディショニングをすごく反映してくれると言って過言ではないでしょう。

 

肝臓の数値がガッと上がっているなら、これらの数値が基準の範囲内であっても肝機能低下が生じているケースもあるんです。

 

ASTとALTのどちらかが基準よりも多かったら脂肪肝が始まっていると考えていいと思います。


ちなみに脂肪肝は飲み過ぎよりは食べ過ぎで生じます。

 

血液中の脂肪というとコレステロール値を気にする人は多いとは思うんですが、肝臓にとって重要なのはむしろ中性脂肪です。

 

中性脂肪のたまり過ぎで脂肪肝になると肝臓の性能が落ちる上に、油断すると肝炎、肝硬変、肝臓がんと進行する恐れがあるんです。

 

たとえ肝炎にならなくても、心臓病や脳卒中を招く動脈硬化のリスクも跳ね上がってしまいます。

 

その昔、脂肪肝はお酒の飲みすぎが原因と言われていたのですが、現在では食べ過ぎによる非アルコール性脂肪肝疾患というものが増えてます。

 

これを放置しておくと、肝炎に進み幹細胞が痛んで線維化が起こり、非アルコール性肝炎

『ナッシュ』というものになってしまいます。

 

またその10%~20%は5年から10年以内で肝硬変に陥ります。

 

皮下脂肪や内臓脂肪を落とすには2~3ヶ月かかるのですが、脂肪肝はうれしいことにそれよりもより短期間で落とすことができるんです。

 

脂肪肝は代謝を生み出して糖尿病へまっしぐらです。


しかも脂肪肝の影響は肝臓だけに留まりません。

 

糖尿病にも波及して脂質異常症や、さらに高血圧を発症することも多いから要注意です。

 

糖尿病は血糖値が高くなりすぎて下がらなくなる病気ですが、これは血糖値を下げるインスリンというホルモンの機器が落ちることで生じてしまいます。

 

日本人の糖尿病の90%以上は、食生活の乱れや運動不足など悪しき生活習慣による2型糖尿病です。

 

予備軍を入れると、その人数は約2,000万人にもなると言われています。

 

肝臓には血糖を取り込んでグリコーゲンとして蓄える働きがありますが、脂肪肝になると血糖を蓄える力が落ちてしまうため、行き場のない血糖が血液中に溢れ出て血糖値をあげるんです。

 

糖質の摂りすぎでフォアグラ気味に弱ってしまった肝臓を、一気に元気にする方法は摂りすぎた糖質を適度にセーブすることです。

 

脂肪肝をつくるもとは脂肪よりも糖質で、糖質が肝臓で中性脂肪に変わるんです。

 

甘いお菓子を減らしたり、ご飯を小盛りにするなどの工夫で、糖質の摂取を今よりも10%から15%減らしてみると良いですね。

 

ただし、極端な糖質制限やカロリー制限は飢餓と勘違いして、身体が肝臓へと脂肪を送り込んで低栄養脂肪肝を起こすのでやめてください。

 

糖質の中でもお菓子や白米や食パンなど、食物繊維が少なくてGI値が急激に上がるような食品はなるべく避けて、食物繊維が多くて血糖値を上げにくい玄米とか全粒粉のパンといったものを選ぶようにしてほしいなと思います。

 

そして糖質を減らした分、肝臓の為に増やしたいのがタンパク質です。


肝臓を養うタンパク質を、お肉、魚、卵などからしっかり摂ってください。

 

また肝臓の働きを示すものに血液中のアルブミンというものの値があります。


このアルブミンは肝臓が作るタンパク質で、栄養素や代謝物質を運んで浸透圧を保ってくれています。

 

アルブミン値が低いのは肝臓の機能が落ちているか、タンパク質が足りていないかです。


タンパク質は肝臓自体を作るし、肝臓と密接な関係がある筋肉の原材料でもあります。

 

ぜひお肉、魚、卵、豆製品、乳製品の5大タンパク質を1日1回以上しっかりと摂って、タンパク質を質をチャージしてみてください。

 

「お茶」と「チョコレート」

 

 

肝臓は代謝が盛んです。


それだけに酸素の消費量も多いのですが、酸素の一部は有害な活性酸素に代わって幹細胞にダメージを与えてしまいます。

 

そこで愛用 したいのが緑茶です!

 

緑茶に含まれる茶カテキンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用で肝臓をガードしてくれますし、高濃度な茶カテキンを摂ると脂肪肝の解消に近づきます。

 

肝臓で脂肪燃焼作用を促して脂肪の代謝を上げてくれるんです。


加えて茶カテキンは血糖の吸収も抑えてくれるので、血糖値の急上昇が避けられます。

 

茶カテキンの約60%は茶殻に残っています。


急須でお茶を飲んだ後に茶殻を煮付けて食べると、茶カテキンを100%取ることができるのでちょっと試してみるのもおすすめかなと思います。

 

茶カテキン以外に活性酸素から肝臓を守るポリフェノールが多いのがチョコレートです。

 

カカオの含有量が70%以上の高カカオチョコレートには、カカオポリフェノールが多く含まれているのでおすすめです。

 

高カカオチョコは低糖質なので、糖質の心配があまりないのも良いですよね。

 

ポリフェノールなら赤ワインも有名ですが、高カカオチョコの含有量は赤ワインの15倍とも言われています、少し意外ですよね。

 

ポリフェノールは水に溶ける水溶性なので摂り貯めすることができません。

 

1個5gほどに小分けにされている高カカオチョコレートを1日5回に分けて計25g食べると効果的だとも言われています。

 

これまた意外なことに高カカオチョコは食物繊維も多いので、糖質の吸収を柔らかにして脂肪肝を招く血糖値の急上昇も防いでくれます。

 

今日はちょっと小難しい肝臓の話になりましたが、大切な肝臓を元気にして痩せやすい体質を手に入れるためにも一度試してみて欲しいと思います。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。