【認知症は○○すれば防げます!】

2021年11月12日

栄養学


 

・この記事はこんな人にオススメ・

→認知症が気になる

→認知症の原因を知りたい
 

 

認知症の原因

今回は皆さんも気になるであろう、認知症になる最大の原因は何なのか!?についてお話ししたいなと思います

 

まず結論から言いますが、認知症の最大の原因は日頃の運動不足にあるんです!

 

2050年には世界で1億人を突破すると言われている認知症患者。

 

一口に認知症といってもさまざまな種類があるんですが、その約7割を占めているのが

「アルツハイマー型認知症」と言われています。

 

これはアミロイドベータというたんぱく質が脳に蓄積して脳の神経細胞が死滅していく病気なんです。

 

アメリカの学会報告で「アルツハイマー型認知症の最も影響が大きいリスクパクターは喫煙でも肥満でもなく、運動不足だ」ということがわかりました。

 

実際に日本の厚労省の研究で、軽度の認知症の方々に運動をやってもらったところ、10か月後には認知機能が明らかに回復したという報告が出ているのです。

 

神経細胞の死滅によって萎縮が始まるのは、記憶に関わる『海馬』という部分です。

 

果たして運動で海馬の萎縮は防げるのでしょうか?

 

これが実は、運動で海馬の萎縮は防げるんです。


それどころか運動することによって海馬の容量は増えるんです。

 

長い間、脳の神経細胞は青年期で成長しきった後は生涯そのまま変わらないとか、飲酒や加齢で一部が死滅したらもう元には戻らない、という考えが主体でした。

 

しかし90年代半ばに、大人になっても神経細胞が新たに作られるということがわかったんです。

 

これは脳神経学の世界で、まさに世紀の大発見でした。

 

さらに同じ頃、脳内で新たに発見されたのが【BDNF=脳由来神経栄養因子】という物質です。

 

脳のアドレナリンやセロトニンが神経細胞同士の情報伝達役とすると、このBDNFはもともと持っている神経細胞の成長や学習機能の向上を促す肥料なようなものなります。

 

また今では、新たな神経細胞を作る手助けをしているということもわかってきました。

 

このBDNFは運動することによって、特に海馬周辺で大量に増えることもわかってきました。

 

90年代後半にマウスにホイールランニング(カラカラ回るやつですね)で長く走らせたところ、海馬でBDNFが大量に増えたという画期的な研究があったり、2000年代以降には人による実験でも運動後、脳のBDNF が増えて学習機能がアップしたという結果が報告されているんです。

 

老いてなお、ぐんぐん歩けば脳は成長するわけなんです!

 

2000年代以降、運動生理学の分野で俄然注目されるようになったキーワードが【マイオカイン】です。

 

【マイオ】はギリシャ語で『筋肉』、【カイン】は『作動物質』を意味し、筋肉から分泌されるさまざまな生理活性物質の総称になります。

 

もちろん、ただぼーっとしているだけではこのマイオカインの恩恵は受けられません。

 

マイオカインは運動して筋肉を伸び縮みさせることで初めて骨格筋から分泌されていきます。

 

運動による代謝アップや生活習慣病の改善、認知症の抑制等はマイオカインがもたらしてる

可能性が高いと考えられているんです。

 

これまでに数十種類のマイオカインが報告されているのですが、特に脳の成長に有効と言われているのが【BDNF】と【IGF-1】という物質で運動時の筋収縮自体が分泌を促しています。


【BDNF 】は先ほどからお話ししている脳由来神経栄養因子です。

 

【IGF- 1】はインスリン様成長因子と言ってインスリンと協力して糖質を細胞に運ぶのが役割で脳内で神経細胞を活性化させたり、BDNFの受け皿を増やして学習機能を強化しています。

 

脳は運動で直接刺激されて、筋肉の援護射撃でさらに成長していくんです。

 

さらに2016年には脳に有効であるとされた新たなマイオカインが登場しました。

 

その名も【カテプシンB】です。

 

前にも触れたマウスにホイールランニングをさせた実験ではランニングしたマウスの血中の

カテプシンB濃度が上昇し、さらにカテプシンB濃度が低いマウスは、そうでないマウスと比べて空間記憶能力が低いという結果が出てきたんです。

 

同じ研究グループでは人による実験も行われています。

 

4カ月間のトレッドミル運動(走ったりする運動)を行ったところ運動強度が高いほどカテプシンB濃度が高く分泌されました。

 

また運動後に一度書き直した図形を30分後に再現するという記憶力のテストを行ったところ血中カテプシンB濃度が多い人ほどテストの成績が良かったのです。

 

運動が脳に及ぼす影響を示す、新たなマイオカインの登場はトピックとしてなっていますが、はたして本当に筋肉の収縮によってこの物質が分泌されるかを証明するのはもう少し先になるのかなと思います。

 

カテプシンBの実験は始まったばかりです。


皆さんもその結果の朗報を待ちたいところではないでしょうか。

 

『認知症の最大の原因は運動不足です!!』

 

それを頭において日頃から運動してみることを是非ともおすすめしたいですね。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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