【あなたの知らない股関節の8つの秘密】

2021年12月21日

身体の事



・この記事はこんな人にオススメ・

→股関節がどこにあるのかわからない

→股関節の働きについて詳しく知りたい
 

 

股関節の8つの秘密 

今回は~あなたの知らない股関節の8つの秘密~について詳しく話していきたいと思います。

1、股の上にあるわけじゃない

筋肉でも外部で存在を意識しやすいアウターマッスルと、深部で意識しにくいインナーマッスルがあるように、関節にも意識しやすいものとそうでないものがあります。 

意識しやすい関節は足首や膝、肘、手首など。

一方意識しにくい関節の代表格が股関節です。

「膝や肘はどこ?」

と聞かれたら子供でも正しく答えられると思いますが、股関節はどこですか?

と聞かれたとき、大人のあなたは正しく答えられるでしょうか。

股関節と言うからには股(また)の間にあると信じている人も多いと思いますが、実は股の間にある骨盤のパーツは恥骨というものです。

では股関節の在り処はどこか!?ズボンを履いて膝を高く引き上げると折り目ができます。

その折り目の部分、いわゆるコマネチ(で流行ったポーズ)の部分の真ん中に当たるところが股関節だと思ってください。意識しやすいんじゃないでしょうか。

腰の横側で出っ張ってる骨を股関節と勘違いする人も多いのですが、これがもし上側ならば腸骨という部分で、下側であれば大腿骨の大転子という骨のパーツです。

皆さん間違えないようにしてくださいね!

2、人体最大の関節 

体には約200個もの関節があると言われていますが、中でも一番大きな関節が股関節です。

股関節が大きい理由は、体重を支える加重関節の親玉だからです。

股関節は骨盤の外側にある窪みに、丸みを帯びた大腿骨の先端がハマったものです。

人がまっすぐ立った状態では下から足首、膝と重みが伝わって最終的には股関節に負荷が集中します。

だから大きくなくてはならないのです。

さらに股関節は可動域が広くて、3つの面で立体的に3Ⅾに動く関節です。

それだけに関わる筋肉もそれ相応に大きくなっていきます。

股関節を動かせる筋肉は、大腿骨前側の大腿四頭筋と、大腿骨裏側のハムストリングス、そして内側の内転筋群、お尻の大殿筋などどれもビッグな筋肉ばっかりです。

しかも他にも全部で20以上の筋肉が股関節を可動させています。

筋肉の約2/3は下半身にあるので、筋肉の大半は股関節に何らかの形で関わっていると思っておいてください。

3、立って行う運動の大半に関わっている

股関節がどこにあるのかピンとこない人でも、毎日どこかのタイミングで使っている股関節。

立って動く動きで股関節が係わらない動きはないと言ってもいいぐらいです。

そもそも重力に逆らって直立二足歩行をしている動物の人間は、地面を踏みつけた反動の床反力こそが、立つ、歩く、走る、跳ぶ、といった基本的な動きのパワーの源です。

野球のピッチングやバッティング、テニスやゴルフのスイングといったスポーツ動作では上半身の動きばかりに目を向けがちですが、やはりパワーの源は床反力なんです。

その地面から受けた反力を受け止めて、体幹部分を介して上半身に伝えていくのが股関節です。

つまり下半身で最も大きな可動域を持つ股関節が、3Ⅾに動いてくれるおかげで僕たちは360度、自由に動くことが出来るというわけなんですね。

4、重心を支えている

スポーツはもちろん日常生活でも重要なのが重心のコントロールです。

立ったり座ったりといった何気ない動作でも、私たちは無意識に重心を調整しています。

重心のポジションがうまく保てないと、転倒する危険すらあるんです。

その重心の維持で鍵を担っているのも股関節なんです。

立っている時の重心は骨盤内側にある第二仙骨のやや前側にありますが、この第二仙骨の周りには、仙腸関節や腰椎そして股関節などがあります。

そのうち仙腸関節は関節といってもほとんど動きません。だから巷にあるカイロプラクティックとか整体院で骨盤をごきごき動かします、みたいな人って僕はどうかと思うんですよ。

『動かせるものなら動かしてみろ!』

って思ってしまいます。

すいません、熱くなってしまい・・・。

話を戻します。

腰椎は安定性が必要なので、安定させる第二仙骨周辺にある重心を、巧みにキープする役割を担うのが、この股関節しかないんです。

スポーツでフォームが乱れやすいとか片足立ちで何かしようとするとすぐに姿勢が崩れるそんな悩みがあるなら股関節を一度見直してみましょう。

5、骨盤や腰椎と連携している

背骨の末端の仙骨と左右の寛骨がユニットしたものが骨盤です。

仙骨の真上が腰椎です。それゆえに腰椎と骨盤は連れだって動く仕組みがあります。

これを腰椎骨盤リズムと言うのですが、これにも股関節が一枚噛んでいるんです。

例えば立った姿勢からお辞儀する動作は、腰椎が曲がって骨盤が前傾して股間節が屈曲(曲がる)する、この一連の動きがあります。

反対に上体を起こすときは、腰椎が伸びて骨盤が後傾して股関節が伸展(伸びる)するという動きになります。

これは腰椎と骨盤の運動方向が同じなので、同速方向腰椎仙骨リズムと言われています。

それとは逆に股関節の動きと連動して、骨盤と腰痛が反対の動きをする動きもあります。

これは先ほどの言葉とは対照的に、反対方向腰椎骨盤リズムと言います。

まっすぐ立った状態で股関節を曲げるというトレーニングで「グッドモーニング」「デッドリフト」みたいな動きの時は、腰椎は伸展したままなんですけど、骨盤の前傾と股関節の屈曲があります。

反対に股関節を伸ばすと骨盤の後傾と腰椎の屈曲が生じます。

実はこれ、一番基本的な日常生活の動作で使っています。

それが歩くという動作です。

これはとても大事なリズムになっていて、歩くときにこの動きがあるからこそ片足立ちになっても倒れないんです。

6、座ってばっかりいると衰えていく

体の骨格はもともと立って動き回るようにできています。

重力が加わると自動的に筋肉が働いて姿勢を保ってくれたりもします。

これは先程もお伝えしたように、筋肉の約2/3は下半身にあって股関節を動かす大きな筋肉も20種類ぐらいあるからです。

だからこそ座る時間が長くなると、このリズムが狂って正しい姿勢を保つのが難しくなり、そこから様々な不調が出てくるのも理解できるのではないでしょうか。

立って歩き回って姿勢を整えるという上で、中心的な役割を果たすのが股関節なんです。

『座る時間が長いほど短命である』という怖いデータが出ているくらいなので、みなさんも健康維持のために歩いたり立つ時間を増やしていきましょう。

ちなみに短命になるというデータの理由は、股関節を使わないため下半身の筋肉が衰えたり血の循環が悪くなったりする結果、糖尿病や高血圧、心臓病と言った生活習慣病のリスクが上がるからとも言われています。

7、O脚とX脚の原因でもある

下半身の大きな悩みの一つと言えばO脚やⅹ脚ではないでしょうか。

O脚は膝が外側に向いて太ももの間に隙間ができ、歩くときガニ股歩きになることでⅹ脚は膝が内側に入って太ももがくっつくのに、ふくらはぎが空いているものを指します。

一般的にO脚は男性が多くて、女性はⅹ脚が多いと言われています。

どちらも膝に原因があると勘違いしがちなんですが、実は股関節が原因の事が多いんです。

腹筋が衰えたり太もも後ろ側の筋肉が固くなったりすることが理由で、骨盤が後傾すると股関節は外側にねじられて膝が外側に広がりやすくなり、その結果生じるのがO脚です。

反対につま先加重などによって骨盤が過度に前傾すると、膝が内側に閉じやすくなります。

その結果がⅹ脚です。

女性にⅹ脚が多い理由はハイヒールを履くためとよく言われていますが、人によっては履かないわけにもいきませんよね。

そのためにもこれ以上酷くならないように、股関節周りにしっかりとアプローチすることがすごく重要じゃないでしょうか。

8、足裏を鍛えると動きやすくなる

姿勢や筋肉について様々な研究を続けておられる福井教授と言う方がいらっしゃるのですが

この方が「足裏を鍛えると股関節の動きが良くなる」と言われています。

足裏の内在筋の動きをテーピングなどで改善すると股関節の可動域が広がり易くなります。

原因は不明ですが「これには多分神経が関わっている」と福井教授は言われています。

脳が筋肉をコントロールする神経のルートには、背骨のお腹側を通る神経と背骨の裏側を通る神経の2ルートがあります。

この内側系と外側系は一方を使うと一方がリラックスするという交互の関係になっています。

例えば足裏でこの背中側の神経を刺激すると、お腹側の神経が緩んで股関節の動きが良くなると考えられています。

ちなみに福井教授は、この原理を利用して股関節の動きを活性するソックスを開発中とのことなので、僕はこのソックスの完成を見守りたいと思っています。

僕も接骨院で足の裏や足首を怪我した方の足裏にテーピングを巻いたりするんですが怪我をしてテーピングを巻いた方よりも、何もしてない大丈夫な方の足の動きの悪さを感じるときがあるんです。

この経験からも足裏を鍛えると動きが良くなるというのは、あながち嘘じゃないと思います。

みなさん、今回の話で普段あまり意識しない股関節が、実はものすごく大事な関節だったんだという事を理解していただけたでしょうか。

股関節がどこにあるのか把握して、しっかりと筋肉を使ったり関節を使うということを意識してもらえたら嬉しいです。

 
最後までご覧いただき、ありがとうございました。