ウオーキングによって血管が若返る理由

2022年4月14日

身体の事



・この記事はこんな人にオススメ・

→寿命を延ばすために血管を若返らせたい

→血管を蘇らせる方法を知りたい 

人間は血管とともに老いる

今回は「寿命を決めている大事な血管を運動で蘇らせることはできるのか!」についてお話ししたいと思います。

まず結論からいいいます!

有酸素運動によって血管を蘇らせることはできるんです!!

カナダの内科医ウィリアム・オスラー氏は「人間は血管とともに老いる」という名言を残しています。

血管は全長90,000kmに及び、約37兆個の全細胞に血液を送るインフラです。

このインフラを巡っている血液から酸素と栄養素が細胞に届けられないと生命活動はストップしてしまいます。

水道管や高速道路のような社会的なインフラなら傷んだり、老朽化したら取り替えることが

できますが、困ったことに今の医学では”まだ傷んだ血管を取り替えることはできない”んです。

だから先ほどのオスラー氏の言う通り、人間は血管とともに老いていくんです。

血管のダメージで深刻なのは動脈硬化

「動脈硬化」は運動不足や肥満などによって心臓から末端へ血液を送る動脈が硬くなり、血液が詰まりやすくなった状態のこと。

動脈が心臓で詰まると「心筋梗塞」、脳で詰まると「脳梗塞」と呼ばれ、いずれも日本人の死因のトップランクを常に占めている怖い病気になります。

 

イメージをしてみてください。

庭仕事用に買ったばかりのホース。

初めは柔らかくてしなやかです。

でも、庭に何年も置きっぱなしにしていると徐々に硬くなって水を通しにくくなり、少しの力が加わるだけでもヒビ割れをしたり、パキンッと折れたりしてしまいます。


動脈硬化を起こした血管も、この長年放置していたホースのように脆くなって血液を通しづらくなるんです!

「命を守るのに重要な血管」を助けるのが有酸素運動なんです。

有酸素運動が血管に良い理由

では、有酸素運動の何がどの様に身体に良いのでしょうか?

過去の不摂生でもたらした動脈硬化をリセットできる方法が一つだけあります。

それが、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。

有酸素運動を行うと全身の血流が改善します。

これによって血管の壁に圧力(ストレス)が加わり、その刺激によって血管の壁を構成している内側の内皮細胞から、一酸化窒素が分泌されます。

この一酸化窒素には血管を緩める働きがあるため、そのおかげで動脈硬化が緩和されると

いうわけです。

動脈硬化の有無は、専門的には人間ドックで首(頸動脈)のエコーなどを撮り判断するんですが、もっと手軽な指標とされているのが「血圧」です。

血圧が高めなら、動脈が硬くなっていると覚悟したほうがいいです。

高めだった血圧が有酸素運動をしばらく続けて下がってきたなら、リカバリー効果が出てきたと考えていいです。

実は有酸素運動には毛細血管を増やす働きもあるんです。

血管の90%以上は毛細血管と言われています。

その毛細血管が増えると血流が円滑になって血圧は下がりやすくなります。

「高血圧」自体も動脈硬化を進めるんですが、毛細血管が増えると血管にかかる圧力が弱まり高血圧にも動脈硬化にもブレーキがかけられると言う訳です。

血管にダメージを与えるもの

そして一番大事なのが、大切な血管を傷つけてしまう2つの原因。

「食後高血糖」と「血糖値スパイク」を軽い運動で防ぎましょうということなんです。

血管にダメージを与えるものとして、ここ近年言われているのが食後に血糖値が急激に

上がる「食後高血糖」。

これにより血糖値が急上昇する状態を「血糖値スパイク」と言います。

血糖値スパイクが起こると、有害な活性酸素が生じやすくなり、動脈を傷つけ動脈硬化が

起こりやすくなります。

また血糖値が上がったまま、下がらなくなるのが「糖尿病」。

他の生活習慣病と同様に、かなり進行するまで痛みや不快感などの自覚症状が無いのが特徴です。

糖尿病の診断には、空腹時の血糖値や過去2カ月間の血糖値の平均(ヘモグロビンA1C) が使われるんですが、空腹時血糖やヘモグロビンA1Cが正常でも血糖値スパイクが起こっている可能性は否定できないんです。

食後によく眠たくなる人は、この食後高血糖により血糖値スパイクが生じ、その反動で血糖値が急激に下がっている恐れがあるので要注意です。

血管を守る運動とは

血糖値スパイクから、血管を守るのは「筋トレと有酸素運動」の組み合わせです。

血糖の最大の引き受け手になるのは筋肉で、血糖の貯蔵庫になります。

その筋肉を筋トレで大きくさせるということは、血糖の貯蔵量のサイズも大きくなるということ。

そのおかげで血糖時スパイクが抑えられるというわけなのです。

加えて、食後にウォーキングなどの軽い有酸素運動を行うと運動のエネルギー源として血糖が消費されます。

それにより血糖値スパイクがさらに抑えられるのでおすすめです。

では、どういう運動したらいいのか?

まずは、1日8,000歩のウォーキングを始めてみましょう。

WHO(世界保健機構)では、成人に必要な運動の指標として1週間に※1激しい有酸素運動を75分以上を行うか、※2緩やかな有酸素運動を150分以上行うことを勧めています。

※1であれば毎日10分以上、※2であれば毎日20分以上ですからクリアするの大変・・・。

なので僕は分かりやすく、「手軽なウォーキング1日8,000歩」をお勧めしたいと思います。

日本人男性の平均歩数は1日に約7,000歩。女性は6,000歩とされています。

1,000歩あたり約10分間の歩行に相当するので、男性なら約10分・女性なら20分の歩行を毎日の生活習慣にプラスする。

それだけで1日分の最低ライン8,000歩がクリアできるという訳です。

これでも、「毎日は無理」と感じてしまうなら、もっとハードルを下げるために”歩き溜めができる”と考えてもらってもOKです。

週末にいっぱい歩いて全然問題ありません。

1日単位でなく1週間単位で【1日8,000歩】をクリアしてみましょう。

「今日6,000歩も歩けなかったなぁ」と落ち込んでやめるのではなく、次の日や1週間を通算して10,000歩を目指してもいいんじゃないでしょうか。


最後に今日のまとめ

寿命を決めている大切な血管を蘇らせるためには有酸素運動が効果的。

オススメなのが、ハードルを下げた1日8000歩のウォーキング。

皆さん是非やってみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。