発酵性食物繊維の入っている食品とその効果は!?

2022年4月19日

栄養学


・この記事はこんな人にオススメ・

→発酵性食物繊維の特徴や効果を知りたい
→発酵性食物繊維が含まれる食品と含有量を知りたい

腸内細菌界のニューカマー!!発酵性食物繊維

今回は「発酵性食物繊維」についてお話ししていきます。

食物繊維は知っていても発酵性食物繊維と言われたらピンと来ない・・・

なんて人も少なくないと思います。

ちなみに僕もそうでした。

あなたはどうでしょうか?

実は近年この発酵性食物繊維が腸内環境の改善株として、にわかに注目を浴びてきていて

健康意識の高い人には意識されつつある存在なんです。

野菜果物、穀物などに含まれますが、含有量が判明しているのはまだ僅かしかないんです。

今後の研究次第でもっと増えるとは予測されています。

そこで、発酵性食物繊維の特徴や何にどれくらい含有されているかなど、発酵性食物繊維を

大解剖していきたいなと思います。

健康は1日にしてならず!

まずは毎日の食事に取り入れることから始めてみてはどうでしょうか。

便秘改善、肥満予防、血糖値コントロールと効果は多岐に 

そもそも発酵性食物繊維って何を指すんでしょう。

食物繊維は果物や野菜、穀物などに含まれています。

この食物繊維が腸内で発酵することによって腸内環境の改善に役立ちます。

発酵で消化されずに腸まで届くため腸内細菌全体の餌になったり、腸内発酵することで

腸に善玉菌が住みやすくなる環境を作るのが主な役割です。

腸内細菌には腸で発酵する有用菌と腸で腐敗する有害菌、そして環境によってどちらにでも

転がってしまう日和見菌の3種類が存在しています。

そのうち、特に有用菌のエサとなり腸内環境を改善に導くのが発酵性食物繊維なんです。

有用菌は発酵性食物繊維をエサにして核酸や酢酸といった短鎖脂肪酸を増やしていきます。

この短鎖脂肪酸が腸の働きを改善して腸内フローラを整え、アレルギーの抑制や便秘の改善

肥満予防、血糖値のコントロールやガン細胞増殖の抑制など、さまざまな働きをしてくれるんです。

多くの水溶性に加え不溶性にも発酵性食品が含まれています

従来、食物繊維は水溶性と不溶性の2種類に分けられていて、前者の水溶性は発酵しやすくて後者の不溶性は発酵しにくいとされてきていました。

しかし近年不溶性食物繊維の食材の中でも、押し麦や大麦に含まれるベータグルカンや

小麦粉全体に含まれるアナビロキシランといった種類の食物繊維は腸の中程から奥にかけて

分解され有用菌のエサとなることが判明しました。

不溶性でも穀物類の一部は発酵性食物繊維として見なされるようになってきたんです。

発酵性食物繊維を含む穀物類は玄米や小麦、全粒粉、オートミールやスーパー大麦などこの辺に多く含まれていているので、主食として取れるんじゃないでしょうか。

また野菜や果物では、ゴボウや玉ねぎにはイヌリン、ブロッコリーやニンジン、キウイには

ペクチンという発酵性食物繊維が含まれていることが分かってきています。

このゴボウ、玉ねぎに含まれているイヌリン、以前これを買って試したことがあるんですが、味はべっこう飴みたいで、水に溶かしても同じような色になります。

そして、イヌリンを取ることによってすごく便が緩くなったんです。

なのでもしイヌリンなどを取ろうと思っている方は、お腹が緩くなる可能性があるので気にしながら取ってもらいたいなと思います。

腸の奥で届いてくれるから効果は2倍にも3倍にも

腸の奥まで届くと聞くとヨーグルトに含まれる乳酸菌をイメージしがちじゃないでしょうか。

乳酸菌も腸の健康を守ってくれる大切な存在なのですが、生まれつき母親から受け継ぐ腸内細菌とは違って、大腸に到達しても定着しにくく一定期間が過ぎると便と一緒に出てしまうのがウィークポイント。

その点、発酵性食物繊維は超時間腸内にとどまってくれるので、腸にある有用菌を増やし有害菌を減らしてくれます。

また、水溶性食物繊維の多くに含まれる発酵性食物繊維は大腸の入り口から中盤付近で、不溶性食物繊維の一部に含まれる発酵性食物繊維は大腸の終わりかけにかけて効果を発揮してくれます。

だからこの発酵性食物繊維と一言で言っても腸のどこで効果を出してくれるかというのが違うので、この後説明する食品を覚えてもらいたいなと思います。

だから、

「野菜だけ」

「果物だけ」

「穀物だけ」

と偏らずにいろんなものをバランスよく毎日の食事に取り入れることで、よりよい腸内環境にすることが期待できてきます。

まだ分からないことばかり身近な食品にも含まれている!?

発酵性食物繊維はまだ研究が始まったばかり。

なので、ほかの食物繊維では”どの食品”に”どの程度”含まれているか分からない部分が多いのが実際の所です。

ただし、研究は日進月歩!

先ほどもお話しした、イヌリンみたいに他の発酵性食物繊維もサプリで手軽に摂れる日もそう遠くないかと思います。

発酵性食物繊維を取れるサプリメントはイヌリン単体がメインです。

しかし、食品から取れば複合的に食物繊維が取れるので魅力的じゃないでしょうか。

 海藻の食物繊維も発酵性が高いと考えられているので、今後の研究に注目です。

発酵性食物繊維は何に、どれくらい含まれているのか

現在日本人は、約5g程度の発酵性食物繊維を摂取していると言われていますが、もう2g増やして7gにする。

そうしてみれば、腸内環境の改善が凄まじく進むと考えられています。

そてではここで、発酵性食物繊維が

「何に含まれているのか?」

「どれくらい含まれているのか?」

「腸のどの辺に効いてくるのか?」

というのを説明したいと思います。

腸の中程に効くのは

オートミール

100g 中4g の発酵性食物繊維があります。

次からは、○○g/100gとして紹介していきます。

押し麦

6.7g/100g 

スーパー大麦

4.9g/100g

腸の初めの方に効くのは

ニンジン

0.7g/100g

タマネギ

0.4g/100g

ブロッコリー

0.9g/100g

キウイフルーツ

0.6g/100g

豆乳

0.2g/100g

ゴボウ

2.3g/100g 

きなこ

2.7g/100g

蒸した大豆

4.2g

スーパー大麦

腸の終わりの方に効くのは

玄米

0.9g/100g

小麦の全粒粉

4.6g/100g

小麦ブランシリアル

11g/100g

スーパー大麦 

これら腸の始め・中程・終わりに、それぞれに効く食品をバランスよく取ってもらうことが腸内環境改善に凄まじく役立っていきます。


今回も最後までご覧いただきありがとうございました。