→自律神経がどこにあるのか知りたい
→自律神経の働きを知りたい
前回に引き続き、自律神経についてお話していきます。
自律神経は体内時計とリンクして働いている
基本的に交感神経は日中、副交感神経は夜間に優位に働きます。
ただし、一方の神経が活動している時、もう一方の神経が完全に休んでいる訳ではありません。
交感神経も副交感神経も、1日24時間”常”に活動を続けています。
神経活動とは神経細胞が興奮することによる電気信号の発火のことなんです。
例えば、通常の神経活動の電気信号が「パンッパンッパン」と規則的な発火のリズムだとすると、神経が興奮した時は「バババババババッ」みたいな強く速いリズムになるんです。
交感神経が興奮して勢いよく発火している時は、副交感神経の活動は低くなります。
つまり2つの神経は24時間持続的支配を維持しながらも、その時々でシーソーのように上下活動をしているんです。
自律神経の支配は24時間続いている
また、自律神経という名前ですが、自律的に好き勝手動いているわけではありません。
脳の中には1日のバイオリズムを刻んでいる場所があり、その中枢は主に”視床下部”という部分になります。
体温や血圧、ホルモンの分泌量などすべての反応は、この視床下部が刻む”サーガディアンリズム”によって支配されているんです。
朝目覚める時には”コルチゾール”というストレスホルモンが分泌されて、血糖値が上昇し目覚めて、本格的に活動を始めると血圧や体温が上がって日中は交感神経の活動がピークになります。
そして夜には”メラトニン”という眠りを促すホルモンが分泌され副交感神経が優位になります。
こうした体内リズムに寄り添い、交感神経は主に日中、副交感神経は夜間に働くようにできています。
自律神経のピークは10代から右肩下がり
自律神経のトータルパワーは一定数が決まっていて、その枠内で交感神経と副交感神経が活動のやりとりをしています。
これは何もしていなくても消費するエネルギー(基礎代謝)が1日1200㎉で、この範囲内で、身体が自動的に呼吸や内臓の動きを維持していくのとよく似ています。
そして基礎代謝が年齢によって低下していくのと同様に、自律神経のパワーも加齢によって落ちていくんです。
基礎代謝は20~30代まではそこそこ維持されているんですが、自律神経のパワーは10代をピークにかなり直線的な右肩下がりのラインを刻んでいます。
なんと40歳には、10代ピーク時の半分以下にまで自律神経の活動レベルは下がります。自律神経のパワー低下で交感神経が暴走する
悲しいことに年齢を重ねると自律神経のパワーは落ちていく。
それは先ほどお話しした通り。
特にストレスを感じた時に血圧や心拍数を上げて頑張る交感神経は、疲れ果ててパワーを失いがちです。
パワーが落ちる一方では、やがて困ったことになってしまいます。
身体の各組織は、自律神経の持続的な支配で既にある程度、興奮しています。
例えば血管は交感神経によって常に若干収縮していますが、自律神経のパワー低下でうまく働かなくなってしまうんです。
これでは血圧が常に下がり、身体的には非常にまずい状態になります。
この状態が続くと、血管側は反応が敏感になり、今か今かと交感神経の刺激を待つようなりる。
そこに僅かな刺激が入ると、過剰に血管が収縮して高血圧を引き起こすこともあるんです。
これがパワー低下による自律神経系の暴走です。
恐ろしいですよね。
しっかり休めてしっかり使えば自律神経の若さは保てる
自律神経のパワーの、加齢による低下は成す術がないのか?
そんなことはありません。
皆さんご安心ください。
結論から言います。
自律神経は、きちんと休息をとることによって回復するんです。回復方法はめちゃくちゃ簡単。
1、まずは質の良い睡眠を取りましょう。
悪夢を見たり、歯ぎしりをすると交感神経系が過剰に働いてしまうからです。
2、夕食は早めに終えて消化器官をゆっくり休ませ、副交感神経系を無駄に働かせない事も重要です。
3、夜間はできるだけ脳の興奮を鎮めて、交感神経の回復を図ることも忘れずに。
だからこそ、寝る前にスマホを見たり、パソコンやテレビを見続けるというのは控えた方がいいですね。
4、運動を汗をかいたり、マイルドな寒冷刺激で自律神経系を適度に働かせることも自律神経のパワーの維持につながってきます。
もし自律神経年齢というものがあるなら、その年齢を最高の状態に持っていくように努めていきましょう。
皆さんには、しっかり寝てしっかり食べることで、自律神経系のバランスが崩れないように務めていただけたら幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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