→血糖値について詳しく知りたい
→健康的な食事について知りたい
今回は血糖値の事について3つお伝えしていきたいと思います。
食欲を左右するのはホルモン
食欲の中枢があるのは脳で、脳の”視床下部”という部分には空腹を感じる「空腹中枢」と、満腹を感知する「満腹中枢」があります。
ならば、一体何が空腹中枢と満腹中枢に働きかけているのでしょうか?
一般的にはこれらの中枢は血糖値に反応するとされています。
食事をした数時間後は血糖値が下がって空腹中枢が刺激されるし、食事をすると血糖値が上がって満腹中枢が刺激される。
上記の様な、そんな話をどこかで一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
ところが!
この話は最近の研究によって覆りました。
健常者の血糖値は糖質を含む食事をしたとしても70~110mg/dl で安定しています。
それでも、彼ら(空腹中枢と満腹中枢)はちゃんと空腹や満腹を感じているんです。
このことから、脳の食欲中枢が血糖値によって制御されているというのは生理的にあり得ない話ということです。
実は、食欲中枢に最も大きな影響を与えているのは胃腸から分泌される消化ホルモンなんです。
食後しばらくして胃が空になると、胃からグレリンというホルモンが分泌されます。
このグレリンが空腹中枢に作用して食欲を促すのです。
タンパク質や脂質がリッチな食事でお腹が満たされると、小腸などの消化管からインクレチンやペプチドYYといったホルモンが出て、この消化ホルモンが満腹中枢に作用して食欲を抑えてくれます。
糖質を摂り過ぎるとむしろ低血糖になる
血糖は細胞の大切なエネルギー源です。
低血糖になると頭も体も動かないから糖質を控え過ぎるのはNGだという主張もありますが、糖質を適正に控えても低血糖に陥ることは通常ありません。
もし糖質を減らして低血糖になるのなら、睡眠中は誰もが糖質を断っているので起床時は全員ひどい低血糖状態のはず。
でもそうはなりません!
なのに、”3食”糖質を含む食事をしている日中に低血糖が起こるわけがないでしょう。
朝起きて頭がぼんやりするとしたら、それは寝不足か単純な起床時に一時的に起こる起立性低血圧です。
糖質を減らしても低血糖に陥らないのは肝臓や腎臓で糖質を作る”糖新生”が働くからです。
これは貯蔵されているグリコーゲン以外から新たに糖質を作り出す仕組みです。
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけですが、血糖値を上げたり糖新生を促すホルモンにはグルカゴン、成長ホルモン、コルチゾールなどがあって血糖値を一定の範囲に保ってくれています。
筋肉などを作るタンパク質や体脂肪は分解と合成を繰り返していて、その過程でタンパク質から生じるアミノ酸、体脂肪から生じるグリセロール、そして糖質を代謝してできる乳酸やピルビン酸などから糖新生で新たに糖質が合成されているんです。
低血糖が起こるとしたら、糖質の過剰摂取で食後高血糖が起こり、その反動で血糖が急激に下がりすぎる、”反応性低血糖”が原因でしょう。
低血糖になりたくないのなら、糖質を控えめに摂取するのが正解です。
糖質が多ければ血糖値は上がる
健康志向が高い人に好まれる食事に「マクロビオティック」や「ベジタリアン」があります。
これは簡単に(乱暴に)言えば”野菜を食べて肉などを食べない”ヘルシーな食事を摂る人達。
では、この様な食事にすれば誰もが危険な食後高血糖から逃れられるのでしょうか?
結論から先に言いましょう!!
残念ながら答えはNOです。
まずは、おさらいです。
マクロビオティック(マクロビ)は玄米や雑穀米の未精製の穀物を主に食べ、豆腐などの大豆製品や野菜や海藻などを主にオカズにする食事です。
マクロビは玄米や野菜を基本に旬の物、地の物を丸ごと食べるということを重視します。
ベジタリアンは皆さんご存知の通り、動物性由来の食物を避けて植物性由来をメインに食べるというものです。
そう聞くとファースフードよりもヘルシーに思えるけど、血糖値の観点からすると必ずしも健康的とは言えなさそうです。
未精製の穀物でも植物性食物でも糖質が多ければ、体質次第で食後高血糖は起こるからです。
例えば、玄米ご飯はお茶椀一杯150g あたりで約50g の糖質を含みます。
これは白いご飯150g のなかに含まれている約50g の糖質とほぼ同じで、食後高血糖に襲われやすいです。
未精製の穀物は食物繊維が多いために血糖値の上昇を穏やかにするとされてはいますが、摂った糖質は2時間以内にほぼ全て血糖に変わるので生成された白いご飯と玄米ご飯は五十歩百歩。
問題なのは糖質の絶対量。
玄米でも雑穀米でも、あるいは全粒粉のパン、パスタ、蕎麦も一度に食べ過ぎると食後高血糖を起こす恐れがあるということです。
ヘルシーなイメージに惑わされないようにしてみましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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