筋肉と痛みのメカニズム ~腰痛編~

2022年6月20日

腰痛

 

・この記事はこんな人にオススメ・

→腰痛に悩んでいる

→腰痛の原因や痛みの解消法を知りたい
 

筋肉のバランスが崩れると腰痛になる

今回は身体のバランスで腰痛になってしまうのはなぜ?という話をしていきたいと思います。

身体には「抗重力筋」と言われる筋肉があるのですがご存知でしょうか?

この筋肉は人間が直立するために重力に逆らって体を支えてくれていて、ふくらはぎや太もも、お腹や背中や首などの筋肉の事です。

他にも肩こりや今回のテーマ、腰痛の原因になる「僧帽筋」や「脊柱起立筋」もここに、含まれています。

これがバランス良く力を発揮することで、人は無理なく日常を送ることができるのですが、実際に発揮するのはなかなか難しい・・・。

体を歪ませる要因

人間の生活中には、体を歪ませる要因が山のように潜んでいます。

例えば、人は利き手をよく使います。

皆さんの利き手は左右どっちでしょうか?

右利きの人は右手を、左利きの人はやはり左手をよく使ってると思います。

他にもショルダーバッグをいつも同じ側の肩にかけたり、座る時に常に同じ側の脚を上にして組むとか、こういう何気ない事の積み重ねでバランスが崩れて体が歪んでしまうんです。

すると抗重力筋の中から力を発揮しにくくなる筋肉がでてきます。

この状態では重力は他の抗重力筋に分けられる。

つまり、一つの筋肉の働きが悪くなるとそれを補うために他の筋肉が過剰に働くという事。

そして過剰に働いた筋肉は疲労して痛みを出します。

また抗重力筋には他の筋肉に比べて筋紡錘というセンサー(安全装置)が多いという特徴があります。

筋肉が引き伸ばされた時に、「縮め」という指令を出すのがこの筋紡錘なんです。

これによって筋肉が伸びすぎて切れることを防止できるんです。

抗重力筋は人間の体の中でも超重要な位置づけにされているので、この筋紡錘が多いんです。

とは言え、伸ばされながら耐える事(エキセントリック収縮)を続けているわけですから、筋紡錘は何度も命令を出します。

これが筋肉を硬直させ肩こり、腰痛がひどくなっていくんです。

自律神経の乱れで痛みが出る

また自律神経が乱れて筋肉が休むことが出来なくなる事もあります。

人間は体の中に体内時計と言われる物があって、それに合わせて一定のサイクルで生活しています。

これをつかさどっているのは、自律神経です。

この自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の二種類があって交互に優位に立つことによって一定のサイクルが生まれています。

まず、朝起きた時は交感神経が優位になり、心拍数が上昇しグリコーゲンがどんどん分解されてエネルギーが作られます。

人が動くのに必要な機能が高まっていくという訳です。

もちろん筋肉もいつでも収縮できる様にスタンバイしています。

一方、夜になると副交感神経が優位になり、人を休憩へと誘います。

血圧や心拍数は低下しエネルギー消費が減り、逆にグリコーゲンは合成されて肝臓や筋肉で蓄えられます。

このようなサイクルで日々暮らせば体の不調は起こりにくいのですが、悲しいことに現代はこのサイクルを破壊してしまう要因が多すぎです。

深夜まで明るい繫華街。

テレビやインターネットなどの様々なコンテンツ・・・。

これらが交感神経を刺激し続ける為、副交感神経が優位になりにくくなっています。

その間も筋肉はいつでも収縮できるようにスタンバっているのですから、当然疲れは溜まってしまいます。

パソコンやスマホの使い過ぎが痛みの原因になる

他にも、パソコンやスマホの画面を見ることが直接痛みにもつながります。

スマホ等の画面から出るブルーライトは光が散乱する特徴があり、ずっと見ていると目に疲労が溜まって脳がストレスを感じ始めます。

そして、そのストレスから肩や背中の筋肉を凝らせてしまうんです。

実は、筋肉の働きによって物理的に痛みを生じるだけでなく、神経による痛みというものも存在しています。

これが肩こり・腰痛の解消を難しくさせている一つの要因なのです。

腰痛の原因

今回のメインテーマ、腰痛をここからは深堀していきたいと思います。

腰痛の原因は、デスクワークである事が多くあります

イスに座った時、背筋を伸ばして骨盤を立てている人は、正解!!

その座り方が出来ているなら痛みを感じるという方は少ないでしょう。

しかし残念な事に、多くの人は背中を丸めて骨盤を後傾させて座っています。

すると、体の前側にある「腹直筋」や「腹斜筋」という筋肉が縮んでしまいます。

さらに骨盤が後傾し背骨が正しいカーブを描けなくなり、前側とは逆に後側にある「腰方形筋」や「脊柱起立筋」は丸まった上半身の重さによって伸ばされ続けます。

このエキセントリック収縮を続けた結果、腰痛になるのです。

一方加齢によっておこる場合もあります

その原因が足の筋力低下です。

外を歩く機会が減った昨今、これは若い人にも起こり得る腰痛の原因の一つになってしまいました。

下半身の中で「大腿四頭筋」の筋力が低下しやすく、この筋力が弱くなるとお尻にある「大臀筋」とのバランスが崩れます。

大腿四頭筋が弱くなり、相対的に大臀筋の筋力が勝るようになった結果、骨盤が後ろへと引っ張られ後傾していきます。

ここの部分はしっかり覚えておくと言い方思います。

骨盤が後傾した結果、背骨のカーブが乱れてデスクワーク時のように前側の筋肉は縮んで硬くなり、前後のバランスが崩れて体が歪み腰痛が起こるというわけです。

さらに、日本人はもともと骨盤がやや後傾しやすい人種です。

腰痛にならないようにしていけるといいですね!

大事なのでもう一度言います

腰痛を治したいのなら、正しい姿勢を取り戻すことが最も重要。

 是非とも日々の正しい姿勢を心がけてください。

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。