背骨について、勝手に解説しちゃいます!②

2022年7月12日

身体の事

・この記事はこんな人にオススメ・

→背骨について詳しく知りたい

→身長について詳しく知りたい
 

 

 

前回に引き続き、背骨の解剖学についておもしろおかしく解説していきたいと思います。

1、起床後は「1㎝」身長が高い!?

起床後は1㎝ぐらい身長が高いといわれますがほんとうなのでしょうか?

椎骨と椎骨の間にある椎間板には水分が含まれていてクッションの役割を果たしています。

これが俗に言う”椎間板”です。

この椎間板は、日中は背骨が縦になって上からの重力がかかるので中の水分が押し出されます。

逆に寝ている間は圧力から解放されるので水分が蓄えられるというわけです。

よって起床直後は椎間板が膨張した分だけ身長が高くなると言われています。

皆さんも小学生のころ保健室に何回か通って身長計で測った覚えないですか?

その時に朝の授業前に測った時と放課後に測った時では、放課後の方が若干ちっちゃくなっていた覚えないですか?

それが今話している事なんです。

朝と夕方の差としては大体1cm程で、朝一番の方が日中よりも1cm高いというわけです。

※この朝のタイミングで下手に運動したりすると、椎間板が膨張して圧力が高いこともあり腰を痛めやすく、ヘルニアやぎっくり腰などのリスクがあるので気をつけてください。

椎間板の水分は起床後約1時間程度で抜けるので、もし朝に運動するなら1時間早起きすることをお勧めしたいと思います。

当院に来られる患者さんでも、朝起きてすぐに腰を痛めたという人がすごく多いので皆さんくれぐれも、ご注意をしてください。

2、宇宙空間では身長が9cmも伸びる?

2018年国際宇宙ステーションに滞在していた日本人宇宙飛行士の金井さんはツイートしました。

宇宙空間で3週間過ごすうちに身長が9cmも伸びたというんです。

これ驚愕ですよね。

9センチ身長が高くなったらもう別人です。

JAXAは背骨の間の軟骨が伸びたせいでないかというような見解を発表しているんですが、寝ている時と同様、椎骨と椎骨の間の椎間板が圧から解放されて膨張したと考えられます。

実は・・・。

この話にはオチがあるんです。

それはロシア人の船長に「それ、伸びすぎじゃない?」と指摘されて再度計り直したところ実際に伸びたのは2cmだったんです。

なんか、ちょっと残念ですよね。

9cmって少し夢を見ましたけど、実は2cmだったか・・・

まぁ2cmでも伸びたら上等かとは思いますけどね。

でも、残念なのはご本人が一番のようで「とんだ、フェイクニュースでした…。」と恐縮されていました。

でも、これは先ほどお話しした起床直後の伸び率の約2倍なんです。

そう思うとやっぱり無重力てすごいですよね。

3、背骨の負荷を担うのは椎間板と椎間関節

先ほどから、お話ししている”椎骨”とは前の部分と後ろの部分の2つの骨のユニットのことで、前側にある部分を”椎体”、後ろ側にある部分を”椎弓”や”棘突起”と言います。

ちなみに、ここに体重がかかる割合は、前の方(椎体)に約8割、後ろの方(椎弓)に約2割掛かると言われています。

60歳以降、椎間板の水分が徐々に失われていくことを考えると、加齢とともに前の方の負荷が大きくなるというのは予想がつくんではないでしょうか。

 ※この負荷が大きくなりすぎると、関節が変形して”腰椎変形性すべり症”になることもあるので気を付けて下さい。

この関節をサポートする為にも体幹(腹横筋・骨盤底筋・多裂筋・横隔膜)をしっかり鍛えることが重要になってきます。

4、60歳以降の身長は10年で2センチから4センチ縮む

先ほど、60歳というキーワードが出たので、その話の続きをしたいと思います。

椎間板が背骨にかかる負荷を逃すクッションの役割を果たしていることは先ほどからお話している通り。

さらに詳しく言うと、椎間板の中心には”髄核”というゼリー状のものがあってさらに、その周辺には”線維輪”と言うバームクーヘン状のコラーゲンによってガードされているんです。

ところが加齢によってバームクーヘン状のところが崩れて中のゼリー状の水分が失われていいき、その結果身長が少しずつ縮んでいきます。

この症状がおこる目安は60歳以降。

ある報告では男性は年に0.19㎝、女性は年に0.41㎝縮むと言われ、10年間で約2㎝から4cm 身長が低くなるという事が分かっています。

背骨に負担のかかる歩き方や過度の運動は線維輪の破綻に拍車をかけるので気をつけましょう。

年をとってからの無理は禁物だということです。

5、欧米人に比べて日本人は骨盤が後傾しやすい

狩猟民族で椅子に座る生活を送る欧米人は、お尻や太もも裏などの体の後ろ側の筋肉(大殿筋やハムストリングス)が発達して、腰椎の前側のカーブが鋭く骨盤は前に倒れやすい特徴があります。

一方、日本人は農耕民族で床に座る文化の為、太ももの前側(大腿四頭筋)が発達してお尻はぺちゃんこ。

ゆえに腰椎のカーブが緩く骨盤が後ろに倒れ気味になります。

生活様式が遺伝にまで影響したかどうか、まだ定かではないんですが日本人が欧米人に比べて骨盤が後傾しやすいということは明らかなことです。

さらに、日本人の骨盤が後傾しやすいのには、骨盤を支える筋肉の量の差もあります。

日本人の平均男性の除脂肪体重(体重から脂肪を抜いた体重の事)は欧米人の男性に比べて約10%も少ないということがわかっています。

ですからスマホのガン見の猫背は見逃せないという事。

それは、何故かなのでしょうか?

視線が下がって頚椎が前に引っ張られる。

そうすると胸椎が丸くなって骨盤が後傾。

これって、高齢者の姿勢に思いませんか?

そう!

高齢者姿勢の若者が増えているのです。

そういう風にならない様、しっかり意識していきましょう。

ここで、1度イメージをしてください。

PCやスマホの見すぎで頭が前に行くと、首の骨が前に行くこ事が分かりますよね。

するとバランスを取るために、胸椎部分が後ろにペコって倒れる。

そしてさらに、バランスをとるために腰椎がグーっと丸く後ろに倒れ結果、見るも無残な”まん丸背中”になってしまうのです。

この様な事にならない為にも、皆さんしっかり意識して体幹周りの筋肉を付け、背中が曲がらない様に生活してみてはどうでしょうか。


 最後までご覧いただきありがとうございました。