背骨について、勝手に解説しちゃいます!③

2022年7月19日

身体の事


・この記事はこんな人にオススメ・

→背骨について詳しく知りたい

→ストレートネックがダメな理由を知りたい
 

 今回は姿勢を正すことのメリットについてお話ししていきたいと思います。

ストレートネック改善で肩こりが軽減

【ストレートネック】とは頸椎の前側のカーブが失われたり、逆に後ろに倒れて(後傾)しまう状態のことを指します。

これによって首や肩こり、頭痛や眼精疲労など様々な不調が表れることが知られています。

ただ残念なことに、整形外科でレントゲン診断を受けてストレートネックと判明しても湿布を処方されるだけで、そのまま放置されるケースも少なくありません。

でも頸椎の構造を意識して動かすことで、改善することは全然可能なんです。

だからこそ姿勢を正す。

S字ラインが整って姿勢が良くなる

人の姿勢が S字ラインを描いていることは、皆さんすでにご存知の通りでしょう。

動物にそうしたカーブがないのは、頭を体のてっぺんで支える構造がないからです。

その点、人は体重の8~10分の1の重さがある頭を、よっこらしょと掲げて歩く動物です。

そのための最適な構造がS字カーブというわけです。

ところがS字カーブも人によってそれぞれ。

頭が前になればその反動で頚椎のカーブは少なくなって、逆に胸椎の後弯(丸くなる)は強くなります。

骨盤が後傾(後ろに倒れている)していれば、腰椎の前側のカーブが浅くなるり前後のバランスをとってしまっているんです。

最適なS字カーブが崩れれば、見た目の姿勢が悪くなるだけでなく特定の筋肉に負荷がかかったり、靱帯が引っ張られて凝りや痛みが生じてくることになるんです。

姿勢を正すことによって理想的なS字カーブに戻っていけば、美しい姿勢が身につきます。

目安は横から見たときに耳、肩、大腿骨の突起の大転子、膝、くるぶしが一直線上にあるのが理想的と言われています。

胸郭が広がり呼吸がスムーズに

心臓と肺は、肋骨という籠の中に収納されて、外部からの刺激を受けにくいように大切にガードされています。

この心臓と肺のうち、姿勢の影響を受けやすいのは肺の方なんです。

というのも、肺は心臓のように自力で縮んだり広がったりすることができない臓器だからです。

小学生の時の理科の教科書や実験で次のようなものがあったのを覚えてないですか。


ペットボトルと風船を使って肺の模型を作る

 

肋骨の間にある肋間筋や肋骨の一番下のところにある横隔膜といった、いわゆる呼吸筋によって肺は受動的に動かされています。

呼吸筋によって引っ張られて胸郭が広がると胸腔(胸の中の圧力)が下がってその状態で初めて空気が入ってくるんです。

ちょっとイメージしてください。

圧力が低いところに空気は流れていく。

だからこそ胸が広がって中の圧力が低くなることで外にある外気(空気)が中に入ってくるという状態なんです。

次に呼吸筋の緊張が下がって肺が縮まると自動的に空気が出ていくという仕組みです。

ちなみに、肋骨は12個の胸椎とつながっていてこれを胸郭と呼びます。

肺は胸郭が十分に広がったり縮むことで胸式呼吸をしています。

つまり胸椎が固まって胸郭の動きが悪ければ呼吸は浅くなり、その逆なら呼吸はゆっくり深くなるというわけです。

ファシアがなめらかになり腰痛が楽になる

ここ数年注目を浴びているワードが【ファシア】です。

これは全身を構成している全てのものを包んでいる膜で、例えば臓器や皮下組織、筋肉、腱、骨、あらゆるものがこのファシアでぴったりと包まれてそれぞれの動きは連動していると考えられています。

それで言うと、すごく話題になっている筋膜もファシアの一つです。

いわゆる筋膜リリースというのは、ファシアリリースというのが正しいのかもしれないです。

ファシアは本来水分に富んだ膜なんですが、動かさないとこの水分が失われて滑走性(滑り)が悪くなります。

そうすると、包んでいる組織の間にねじれが生じてファシアの中にある感覚受容体が

痛みを感じるというわけです。

例えば腰痛。

病名がつく腰痛を【特異的腰痛】、病名がつかず原因が分からない腰痛を【非特異的腰痛】と言うのですが、この非特異的腰痛の代表例が、筋・筋膜性腰痛です。

これはファシアに備わった受容体が係わっている可能性が高いと言われています。

ファシアの滑走性を維持する秘訣は、とにかく動かすことです。

運動!

運動!

さらに運動!!

そういうことですね。

たとえ正しい姿勢でも長時間同じ姿勢を続けていればファシアは固まってしまいます。

だからこそ姿勢を正すだけでなくしっかりと動かす、これも重要になってくるわけです。

胃の圧迫が解かれて胸やけが回復

前屈みの姿勢を長時間続ける職業の方は、今すぐ姿勢を正すことに取り組んでほしいです。

なぜなら内臓を圧迫している可能性があるから。

実際に前屈姿勢で収穫する農家の人は常に腹圧が高くなっていて、胃が圧迫されて食道に胃液が逆流する逆流性食道炎になる、という報告が上がってきています。

これは強い酸性の胃酸によって食道に炎症が起こって胸やけや胸の痛み、もっと言えば口内炎やのどの痛みなどの症状が現れてくる病気です。

主な原因としてはストレスや暴飲暴食、肥満などが挙げらますが、前屈姿勢この猫背の姿勢もきっかけの一つと言われています。

農業従事者じゃないから大丈夫と他人ごとのように思わないでください。

あなたはPC作業をしている時、二つ折りのガラケーみたいな姿勢になっていませんか。

長時間のPC作業は、もはや現代人の日常的ノルマです。

デスクワーカーで胸やけを抱える人も同様で、背骨をしっかりとまっすぐに常に姿勢を正しくリセットすることをおすすめしたいと思います。

では最後に今回の話をまとめます。

背骨がしっかり整ってくると姿勢がよくなるし、胸が膨らみやすくなって呼吸が楽になる。

そして腰痛なども良くなっていきますし肩こりも軽減。

胸やけ等の回復もしっかりあるので、みなさんぜひ正しい姿勢で健やかな体になって

ください。


最後までご覧いただきありがとうございました。