背骨について勝手に解説しちゃいます!④

2022年7月25日

身体の事


・この記事はこんな人にオススメ・

→背骨について詳しく知りたい

→胸椎のリセット方法を知りたい
 

 

もう第何弾になるのか・・・と思いますが、今回も背骨です。

背骨についてまだお話ししていく部分があるので早速やっていこうと思います。

今回の内容では後半に、この背骨の特に胸椎のリセット方法をお伝えしていきます。

1.代償動作がなくなりケガをしにくくなる

例えば、悪い姿勢や運動不足で胸椎の部分が固まったと考えてください。

本来、胸椎は可動域の大きな部分です。

特に捻るのは得意で、苦手な屈伸動作でも、整形外科的な可動域は屈曲で約45度、伸展は約30度と言われています。

まっすぐ立った姿勢で45度前に倒すことが出来て、30度反らせることが出来るわけです。

ところが、ほとんどの人は前屈はできるんですけど、反らすことが苦手ではないでしょうか。

なので胸椎が動かない分、頸椎で動きを補おうとします。

これが代償動作。

顎を引いて首を反らすだけで痛めることも結構あります。

この様な方は、胸椎をリセットすれば怪我もしにくくなること間違いなし。

2.ピラーストレングスが高まり筋トレ効果が見込める

より良い姿勢で筋トレに挑んだ方が全身バランスをよく鍛えられるし機能的なポテンシャルもアップします。

特に、立った状態で行う筋トレの種目は背骨のポジションがとっても重要です。

代表例は、みなさんもご存知スクワット。

頚椎は前彎(ぜんわん)、胸椎は後彎(こうわん)、腰椎は前彎というポジションを取っていて、この姿勢をまっすぐの状態で行うと頭、肩甲骨、仙骨のラインが一直線になって顎が引き締まって肋骨が閉じます。

 この形をキープすることを『ピラーストレングス』と言うんです。

※ピラーとは日本語で背骨のこと

ピラーストレングスはスクワットに限らず、デッドリフトでもランジでも同様に大事な条件の1つです。 

猫背姿勢でスクワットを行うと腹筋に余計な力が入るなどの代償動作が入ります。

トレーニングをやっている本人は楽に感じるんですけど、実は筋トレ効果は今ひとつなんです。

ピラーストレングスが弱い場合は脊柱起立筋(背骨の両側にある筋肉)や僧帽筋の下部部分などを頑張って鍛えてみましょう。

3.歩く姿がブレなくなり歩き方がかっこよくなる

ガチな筋トレマニアが通うジムでは、多くのトレーニーが準備体操抜きでマシンやウェイトトレーニングにまっしぐらです。

ベンチプレスにショルダープレス、ダンベルプレスにダンベルフライ・・・

背骨の動きを必要としない特定の動きに徹してるうちに、出来上がるのはブロックの様なガチガチな体、人呼んで【箱人間】です。

※コロ助みたいな感じです 

筋肉量や筋力だけを求めているならそれもありなんでしょうが、しなやかでかっこいい体とはとても言えないんじゃないでしょうか。

筋トレ前には、背骨をしっかり動かす準備体操や、筋トレを行う中で曲げる動作や捻る動作の動きを取り入れる工夫などをすると、バランス良いしなやかでマッチョな体が手に入ります。

また【箱人間】は股関節の可動域も狭くなりがちです。

どんどんがに股になっていき、歩き方のパターンや姿がカッコ悪くなります。

スッと脚をまっすぐに出して進むスマートな歩き方は、背骨のポジション作り無しには成り立たないです。

4.股関節の可動域が高まり足が速くなる

胸椎が基本的によく動くモビリティの関節だとしたら、腰椎は不動の姿勢で体幹を安定させるスタビリティの関節でしょう。

無理に動かそうとすると、ヘルニアやすべり症などの障害が起こりやすくなっています。

特にヘルニアやすべり症の方は胸椎がガチガチで、「体を動かしてください」と言うと腰ばっかり使っているのでこの辺は気を付けて下さい。

やや動く頚椎と、よく動く胸椎、安定の腰椎のセットでピラーストレングスは作られています。

さらに、走るのが好きな方には上半身のポジションは関係ないと思われがちなのですが、ピラーストレングスが整っていれば下にある股関節の可動域はおのずと広がり、より大きく一歩を踏み出せるようになります。

またピラーストリングスを維持できれば体幹も安定して、地面の反動(床反力)を推進力(前に行く力)に変えることができるので、結果記録が伸びやすくなるというわけです。

5.胸椎の動きが良くなってゴルフの飛距離が伸びる

「グワーッと構えて腰をガッとする。あとはパーッといってガツンと打つんだ。」

これは野球界のレジェンド、長嶋茂雄さんの伝説的オノマトペ語録の一つです。

「腰をガッと」という表現によって、スイング動作=腰を捻ると解釈されがちなのですが実はそうではありません。

本当は回旋しているところは腰椎ではなく胸椎なんです。

胸椎は本来、可動域の広いモビリティの関節です。

曲げたり、捻るという動きは特に得意で、野球のスイングやゴルフのドライバースイングもここ胸椎の動きが十分だと飛距離はしっかりと伸びていきます。

6.背骨を走る自律神経のバランスが整う

背骨を構成しているのは脊椎という骨だけではないんです。

脊椎の中心にはトンネル状の管があり、その中には脳から続く神経の束が通っていています。

これが脊髄です。

そして、その両側には自律神経の交感神経が走り、副交感神経は脳と仙骨から末端の器官へとつながっています。

自律神経は生体機能を調整して、健康を保つ大事な神経です。

だったら背骨のリセットを行ってS字カーブを正しく整えれば、自律神経のバランスが整うのでは?

と思われるでしょうが、残念ながら直接的な関係はないんです。

ただし、胸椎の動きがスムーズになれば呼吸が整います。

そしてその呼吸は自律神経に働きかける重要な因子の一つです。

緊張した時って深呼吸してないですか?

あれは、ゆっくり深い腹式呼吸をすることによって、副交感神経が優位になって交感神経と切り替わり体をリラックスモードに変えてくれるるからなんです。

このことから、間接的なのですが胸椎をリセットすることで自律神経を整えるということは可能なんです。

最後にこの記事の冒頭でもいいました『胸椎の動きをリセットする超簡単な方法』についてお話ししますので、ぜひやってみてください。

”片手をあげたら、あげた手と逆の方向に体をまげて、このまま深呼吸を3回する”

たったこれだけでも、左と右を比べたら伸ばした方に何か違う感じがすると

思います。

これは伸ばした方の肋骨が広がり、胸椎と胸郭の可動域があがったためです。

胸椎のリセットというものは簡単にできるんです。

体が固まってると思った場合は手軽にこの胸椎リセットを試してもらいたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。