・この記事はこんな人にオススメ・
→肘の骨折をしてしまった
→肘について勉強したい
上腕骨顆上骨折
子供に多く発生する骨折で、近位型骨折(果部から骨幹部にかけて骨折線が入ったもの)・遠位型骨折(果部だけに骨折線が入ったもの)があります。
上腕骨は画像を確認してください。
この骨折は幼児期(3歳~10歳ぐらい)の利き手側では無い方に多く発生します。
肘に劇痛があり腫れや動かせななどの症状があれば、第一にこの「顆上骨折」を疑ってください。
ちなみに、肘回りの骨折はこれが一番多い(上腕骨遠位骨折の70~80%)です。
この骨折には2つのパターンがあります。
①伸展型骨折(発生頻度が多い)
②屈曲型骨折
症状
この骨折は肘の太さ・幅が増えるのですが、これは近位骨片っていうところが遠位骨片これに乗ってしまうからです。
腫れが肘全体に出てきて劇痛があり肘の運動(特に屈伸動作)は出来なくなります。
異常可動性(あり得ない方向に動く)や軋轢音(骨がすれる音)も確認できます。
肘の後方脱臼と鑑別してほしいのですが、ここでは「ヒューター線(肘を後ろから見て内側上顆と外側上顆を結んだ線)」「ヒューター三角(肘を屈曲して内側上顆と外側上顆、肘頭を結んだ下向けの三角形)」というのが、すごく重要なところになります。
ヒューター線上に肘頭があれが脱臼しているわけではないので「顆上骨折」と判断できるし、ヒューター三角が崩れていると「肘の脱臼」だと判断できるからです。
あとレントゲンを見ないと解らないのですが「ファットパッドサイン(骨折した部分から血液を通して流れてきた脂肪の画像)」や「ティアドロップ(上腕骨幹部に対して上腕骨果部は斜め45度の角度でついているのが、それが歪んでいる)」を確認することが出来ます。
治療法や合併症
伸展型骨折の場合は肘関節が90度~100度、曲げた状態で4週間ぐらいしっかりと固定して、屈曲型骨折は肘関節が80度~90度ぐらい曲げて固定してください。
合併症は循環障害(蒼白・疼痛・拍動消失・麻痺・知覚異常)や神経障害(橈骨神経・正中神経・尺骨神経)に注意が必要になります。
これも大切なのですが、骨折の仕方によっては皮膚に傷が入り感染症のリスクがあるというのも覚えておいてください。
リハビリに関しては再転位に注意しながら、肘が固まらないよう曲げ伸ばしだけじゃなくて、ひねる動きもやってください。
後遺症は内反肘や肘の伸展障害に注意が必要です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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